13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


ドクンッ。

一度大きく跳ねる心臓。

怖い気持ちもあるけれど、名前を呼んでくれた……それだけのことがとても嬉しくて、私はゆっくりと体を動かした。

回る視界に翔が映ろうとした……その時、


「――岡田くんっ!」


誰かの声が聞こえたと思ったら、目に飛び込んで来たのは、翔の腕を取る女の子の姿。

さやか……ちゃん。

「班のみんなが一緒に写真撮ろうって。行こう?」

さやかちゃんは私には見向きもせず、とても可愛らしく微笑んで、翔の腕を引く。

「あ……うん」

少し戸惑った様子で、控えめに返事をする翔。

チラッとこっちに視線を向けるのが分かって、私は目が合う前にパッと顔を逸らした。

引き止めなかったのは私。

なのに、視界の隅から翔の姿が消えると、急に寂しくなった。

追いかけるように顔を向けると……

こっちを見ていたのは翔ではなく、さやかちゃんの方だった。

さやかちゃんは私をキッと睨んだ後、見せ付けるみたいに翔に笑顔を振りまいていた。

「……」

さやかちゃん、本当に翔のことが好きなんだ……。

だから、私の気持ちに気付いてる。