13センチの片想い。私とアイツの恋の距離



翔とふたりで抜け出すなんて、亜耶に「出来るわけない」と言ったくせに、

いざ来てみると、一緒に過ごせる時間を期待している自分がいた。


クラスが違うから、それは容易に叶うことではないけど……。

一組のバスが隣に停まっただけで、ドキドキしながら窓の外を眺めたりなんかしちゃって。

私の気持ちは、行動に浮き彫りに現れていた。


修学旅行一日目は、特に何事もなく終わってしまって……

翔に近付けたのは、二日目のことだった。


それは見学の合間の、買い物の為のちょっとした自由時間。

「やっぱ、ちんすこうとか食べ物かなぁ?」
「うーん……普通のものって、楽しくなくない?」

私は亜耶と、後輩へのお土産を探していた。

「あ、ちょっとあっち見てくるね!」

何か良いものを見付けたのか、走って行ってしまった亜耶。

私はひとりその場で、並んだお土産を見ていた……けど、めぼしい物はなくて、

亜耶の所へ行こうと、何も考えずに振り返った。

すると、

「……」

偶然、真後ろに立っていた人。

その人を見た瞬間、私の体は石になったみたいに硬直した。