気付いた瞬間、色んな感情が混ざり合って、本当の気持ちが分からなくなった。
でも、自分がどうしないといけないのか……それはちゃんと考えられていて、
「あ……あっそう!デカくて悪かったね!でも、そっちは小さすぎっ!隣にいても、時々見えなくなるし!」
しっかり言い返している自分が、怖かった。
周りの男子達は、「すげー」だの「檜山さん怖っ!」だのと、笑っているけど、
翔だけは、目を丸くして驚いた表情を浮かべていて。
自分の気持ちを悟られそうで、
「じゃあねっ!」
私はわざと明るく「べーっ!」と舌を出して、そのまま走り去った。
こんな昔のこと……何思い出してるんだろう……。
ベッドに横になったまま、カーテンの隙間から射し込む光を、ぼんやりと眺めながら思う。
それは、私達が中学一年生の時の出来事。
あの時の翔の言葉は、思春期の照れ隠しで……本心じゃなかったことくらい分かってた。
だけど、自分の身長をコンプレックスに思い始めていた私を、落ち込ませるには充分で……
決して間違ったことを言われたわけでもなくて、重く心に乗しかかった。



