「え……翔が……?」
翔は何だかんだ言って、決められたことはきちんと守る人。
みんなで決めたことや、こういうことは特に――。
何かあったんだろうか……。
「知らない……けど、だったら」
「佳奈ちゃんが探して来てくれるって!」
私の言葉を途中で遮って、横から口を挟んだのは亜耶。
「えっ!?ちょっ……!!」
私が言おうとしたのは、「だったら代わりに店番するよ」ということで、それを説明しようとするけど、
「チャンスだよ」
顔を近付け小声で、亜耶は私に言った。
「……」
……チャンス。
確かにそうかもしれなくて、私は口ごもる。
「何?檜山さん行ってくれんの?」
「あ、えと……」
答えを求めるように亜耶を見ると、「片付けならやっておくから」と言って、にっこりと笑った。
「……うん。探してくる」
私は亜耶の気持ちに甘えて頷いて、走り出した。
人は多いし、翔のいそうな場所の心当たりなんてないし、どこにいるかなんて、さっぱり分からない。
だけど、翔が気になる気持ちと、会いたい気持ちで、体は動いていた。
そして人混みの中、
私は翔を見付けた――。



