13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「え……翔が……?」

翔は何だかんだ言って、決められたことはきちんと守る人。
みんなで決めたことや、こういうことは特に――。

何かあったんだろうか……。

「知らない……けど、だったら」

「佳奈ちゃんが探して来てくれるって!」

私の言葉を途中で遮って、横から口を挟んだのは亜耶。

「えっ!?ちょっ……!!」

私が言おうとしたのは、「だったら代わりに店番するよ」ということで、それを説明しようとするけど、

「チャンスだよ」

顔を近付け小声で、亜耶は私に言った。

「……」

……チャンス。
確かにそうかもしれなくて、私は口ごもる。

「何?檜山さん行ってくれんの?」
「あ、えと……」

答えを求めるように亜耶を見ると、「片付けならやっておくから」と言って、にっこりと笑った。

「……うん。探してくる」

私は亜耶の気持ちに甘えて頷いて、走り出した。



人は多いし、翔のいそうな場所の心当たりなんてないし、どこにいるかなんて、さっぱり分からない。

だけど、翔が気になる気持ちと、会いたい気持ちで、体は動いていた。

そして人混みの中、

私は翔を見付けた――。