13センチの片想い。私とアイツの恋の距離



その後、案の定……というか、私の予想よりも少し早く、輪投げは景品切れになってしまった。

「佳奈ちゃん、これからどうする?」

聞いてきたのは、一緒に店番をしていた亜耶。

今年は都、来れないって言ってたし……。

「片付け終わったらさ、ちょっと一緒に回ってみない?」
「え、でも……」

何か言いたそうな亜耶を、「ね!」と半ば強引に押し切って、私は片付けを始めた。

亜耶が何を言おうとしていたのか、それは痛いくらいに分かるけど……、

すぐ隣のテントの中に、彼の姿は今だない。

諦めるように、片付ける手を動かそうとした時だった。


「檜山さん、檜山さんっ!」

呼ばれた声に前を見ると、その隣のテントから急いだ様子でやって来たのは、男子バレー部の部長。

「ね、翔のやつ見なかった?」

「えっ!?」

耳に入った名前にドキッとして、その気持ちが思わず声になる。

「あっ!えっと、どうしたの?」

慌てて言葉を付け足すと、

「あいつそろそろ店番なのに、戻って来ないんだよねー」

私の様子を不思議がることなく、その男子は困ったと言わんばかりの顔で言った。