その後、案の定……というか、私の予想よりも少し早く、輪投げは景品切れになってしまった。
「佳奈ちゃん、これからどうする?」
聞いてきたのは、一緒に店番をしていた亜耶。
今年は都、来れないって言ってたし……。
「片付け終わったらさ、ちょっと一緒に回ってみない?」
「え、でも……」
何か言いたそうな亜耶を、「ね!」と半ば強引に押し切って、私は片付けを始めた。
亜耶が何を言おうとしていたのか、それは痛いくらいに分かるけど……、
すぐ隣のテントの中に、彼の姿は今だない。
諦めるように、片付ける手を動かそうとした時だった。
「檜山さん、檜山さんっ!」
呼ばれた声に前を見ると、その隣のテントから急いだ様子でやって来たのは、男子バレー部の部長。
「ね、翔のやつ見なかった?」
「えっ!?」
耳に入った名前にドキッとして、その気持ちが思わず声になる。
「あっ!えっと、どうしたの?」
慌てて言葉を付け足すと、
「あいつそろそろ店番なのに、戻って来ないんだよねー」
私の様子を不思議がることなく、その男子は困ったと言わんばかりの顔で言った。



