13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


教室に入って、私は急いで席に着いた。

ドキドキと速い胸の鼓動。
そのせいで上手く呼吸が出来なくて、息が上がったみたいになる。

――何で逃げて来ちゃうのよ!?

藤原先輩と話して、亜耶と話して、あとは翔と話すだけなのに……。

「佳奈ちゃんらしくないね、さっきの」

図上から降って来た声に、ハッと顔を上げると、目の前には亜耶が立っていた。

「見てたのっ!?」
「うん」

亜耶は私の前の席の椅子を引くと、こっちを向いて座った。

「岡田くんに話さないの?」

声を潜め聞かれた質問に、少しだけ戸惑う。

あの夏祭りの日をきっかけに、私と亜耶の距離はぐっと縮まった。

だから、翔のことも話してて……亜耶が藤原先輩の元カノなぶん、都より詳しいかもしれない。

「話すよ。でも……」

いざ話せる状況になると、急に怖くなった。

夏休み前までは、『翔も私のこと……』なんて浮かれていたくせに、勘違いだったらどうしよう……って、思ってしまって。

勘違い……うん、それ有り得る。

そんなことを考えていると、

「ふっ……あははっ」

目の前の亜耶が、いきなり笑い出した。