私達が移動した先は、神社の脇。
誰かいたらどうしようと思いながらも、そこには誰もいなくてホッとする。
どちらが誘ったわけでもなく、私達は神社の横に軽く腰かけた。
耳に入るのは、神社という壁によって、小さく聞こえる祭りの音だけ。
「それで佳奈ちゃん……話って何?」
ゆっくりと口を開いた亜耶の顔からは、さっきまでの笑顔は消えて……微笑んでこそいるものの、何か怯えたような顔。
言わなきゃ……。
亜耶の表情を見て、その気持ちが一層強くなった。
「あのね」
りんご飴を持った手の中には、じんわりとかいた汗。
「今さっきまで……藤原先輩と一緒にいたの」
「えっ……?」
私の顔を見る亜耶は、「どうして?」と言わんばかりの顔をしていて、
「先輩とやり直すことにしてくれたの……?」
ためらいがちに聞いてきた声は、微かに震えて聞こえた。
「ううん、その逆。私はやっぱり先輩とは付き合えないから……ちゃんと謝ってきた」
「そっか……」
「そうだよね」と続けて沈む、亜耶の声。
だけど、
「強がらないでよ」



