13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「来てくれて……ありがとうございます」

目を合わせて、藤原先輩は笑顔さえ浮かべて、話してくれてる。

本当に久しぶりなこの状況に、思わず涙声になっていた。

そんな私を気遣うように「座ろっか」と、先輩は声をかけてくれて、私は素直にそれに応じた。


ふたりきりの公園のベンチに並んだ、私と藤原先輩。

「……一年前と同じだね」

思ったことを先に、先輩が声に出した。

でも、一年前とは全く違う。

目に写る、まだ明るい景色もそうだし、
藤原先輩に対する気持ちが、一年前とは何より違う。

「あの……私、先輩に言いたいことがあるんです」

今日、先輩を呼び出した理由。
それを切り出そうとするけど、

「っ……」

声が出せない。

久しぶりに話した隣にいる先輩は、以前と変わらず優しい。

なのに、頭に浮かぶのは……あの日の冷たい先輩。

“恐い”なんて私が思う権利はないけど、膝元に置いた指先は微かに震えていて、怯えているのが本心で。

「佳奈ちゃん」

呼ばれた名前にビクッとして、顔を上げると、先輩は「ふっ」と吹き出すように笑った。そして、