その指摘通り、先輩達はもう引退していた。
でも、在籍中に話をする気なんて初めからなかった。
私と先輩の関係はみんなが知っていて、一緒にいれば間違いなく目立ってしまう。
それに何より一番の理由は……
「話したい日が、あるの」
藤原先輩と話をするなら、この日。そう決めている日があって、その日に呼び出そうと思っていた。
「会ってくれるか、分かんないけどね」
自信なく笑って言うと、都はパンッとお尻を叩いて、「大丈夫!」と言ってくれた。
「ちょっと。セクハラしないでよ」
白い目で見る私。
だけど、心の中は温かくて、それが溢れるみたいにふっと笑った。
全てが順調……なのかは分からない。
部長をやっていて戸惑うことは多いし、翔との関係だって進展したわけではない。
だけど、「部長として頑張ろう」とか、「藤原先輩と話をしよう」とか、具体的に決めたことがあるだけで、気分は全く違った。
「都……また、話聞いてね」
私が静かに言うと、
「任しといてっ!あ、でも、良い話希望ねっ!」
都は明るい笑顔をくれた。
そして私は、その日を迎える――。



