13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


翔のことを忘れたい一心で、同意した“部長”。

それが、翔に励まされたからやる気が出たなんて……改めて考えてみると、かなり矛盾してる。

でも、

『部長になってもおかしくないくらい、頑張ってた』

その翔の言葉が、背中を押してくれた。

落ち込んでいなかったら、バレーに真面目に取り組んでいた、少し前のあたしなら……絶対に部長になれることを喜んでいた。

……純粋な本心は「やりたい」だったから。


「いいなぁー、佳奈は。全部が順調でっ!」
「全部って?」
「恋愛も順調、でしょっ?」

ニヤッと笑って首を傾げた都に、私は苦笑いを浮かべて「あぁ……」と、定まらない返事をする。

「その様子だと、もしかして……まだ元カレの先輩と話してないの?」
「……うん」

翔との出来事や、藤原先輩と話をしてみようと思うこと……都には相談も兼ねて話していた。

だから本当は、都が私のことを心配して、こうしてわざわざ来てくれたことに、気付いていた。

「先輩って、もう引退しちゃったんじゃないの?大丈夫なの?」

心配の色を浮かべて、私の顔を見る都。