翔のことを忘れたい一心で、同意した“部長”。
それが、翔に励まされたからやる気が出たなんて……改めて考えてみると、かなり矛盾してる。
でも、
『部長になってもおかしくないくらい、頑張ってた』
その翔の言葉が、背中を押してくれた。
落ち込んでいなかったら、バレーに真面目に取り組んでいた、少し前のあたしなら……絶対に部長になれることを喜んでいた。
……純粋な本心は「やりたい」だったから。
「いいなぁー、佳奈は。全部が順調でっ!」
「全部って?」
「恋愛も順調、でしょっ?」
ニヤッと笑って首を傾げた都に、私は苦笑いを浮かべて「あぁ……」と、定まらない返事をする。
「その様子だと、もしかして……まだ元カレの先輩と話してないの?」
「……うん」
翔との出来事や、藤原先輩と話をしてみようと思うこと……都には相談も兼ねて話していた。
だから本当は、都が私のことを心配して、こうしてわざわざ来てくれたことに、気付いていた。
「先輩って、もう引退しちゃったんじゃないの?大丈夫なの?」
心配の色を浮かべて、私の顔を見る都。



