13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


クラスメート達は、じっと私の顔を見る。

やばい…失言しちゃったかも。

「…って、あいつチビだけどねっ!」

軽く笑ってごまかす。

「檜山さんは、またバレー部入るの?」
「うん」
「岡田くんも、またバレー部入るかな?」
「え…」

そういえば…聞いた事がない。
男子バレー部のコートに翔が居るのは当たり前で、私は勝手に頭の中で翔も入部すると決定付けていた。

でも…きっと、

「入るんじゃないかな?」

翔がバレーをやめるなんて、想像つかない。

「じゃあ、あたしマネージャーになろうかなぁ」
「それいいね!」

思い思い勝手に話すクラスメートに苦笑して、私は布団の中に逃げ込んだ。

「佳奈ちゃん寝ちゃうの?」
「うん、ちょっと疲れたから」
「そっか、おやすみ」
「おやすみ」

本当はまだ眠くなんてなかったけど、クラスメートと話をするのは疲れるから嫌だ。

みんな恋の話ばっかりで、始めは翔の事だったけど、気付けば2年の先輩にすごくカッコイイ人がいるとか…話は飛んでいた。

そんな中…私は、

翔…部活どうするんだろ?

そればっかりを考えていた。