振り返ると、それは亜耶。
いつも一緒の道をひとりで歩いていたのは、「教室に忘れ物をしたから、先に行ってて」と、言われていたから。
「あれ?佳奈ちゃんの友達?」
都に気付いて、足を止める。
「あ、うん。中学の頃の……」
私が簡単に紹介すると、亜耶は都に「こんにちは」と、笑顔で挨拶した。そして、
「じゃあ、今日はあたし先に帰るね」
「え?一緒に……」
私が全部言う前に、亜耶は頭を横に振った。
「せっかくなんだから、ふたりで帰りなよ。話したいこともあるだろうし」
「じゃあまた明日ね」と、笑顔で手を振って、亜耶は校門を出て行った。
その笑顔は私に気兼ねさせない、すごく自然なもので……
「わー、良い子だね」
「……うん」
都の言葉に、私は微笑んで頷いた。
「部活の方はどうですか?檜山部長っ」
亜耶から少し遅れて、歩き出した私達。
待ってましたとばかりに冷やかしてきた都に、「やめてよ」と言うけど、
“檜山部長”そう呼ばれることに、本当は慣れてきていた。
そんな私の心境が顔に出ていたのか、
「でも、良い顔してるよ」
と、都は笑った。



