13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


振り返ると、それは亜耶。

いつも一緒の道をひとりで歩いていたのは、「教室に忘れ物をしたから、先に行ってて」と、言われていたから。


「あれ?佳奈ちゃんの友達?」

都に気付いて、足を止める。

「あ、うん。中学の頃の……」

私が簡単に紹介すると、亜耶は都に「こんにちは」と、笑顔で挨拶した。そして、

「じゃあ、今日はあたし先に帰るね」
「え?一緒に……」

私が全部言う前に、亜耶は頭を横に振った。

「せっかくなんだから、ふたりで帰りなよ。話したいこともあるだろうし」

「じゃあまた明日ね」と、笑顔で手を振って、亜耶は校門を出て行った。

その笑顔は私に気兼ねさせない、すごく自然なもので……

「わー、良い子だね」

「……うん」

都の言葉に、私は微笑んで頷いた。



「部活の方はどうですか?檜山部長っ」

亜耶から少し遅れて、歩き出した私達。

待ってましたとばかりに冷やかしてきた都に、「やめてよ」と言うけど、

“檜山部長”そう呼ばれることに、本当は慣れてきていた。

そんな私の心境が顔に出ていたのか、

「でも、良い顔してるよ」

と、都は笑った。