13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


もう嫌だ。翔の前から早く消えてしまいたい。

そう思った私は、また逃げようとするけど、「待て」という声と、私の腕を掴んだ翔の手によって、また阻まれた。

「離してよっ!」
「やだ」
「っ……」

もういいじゃん……。
これ以上苦しめないでよ。

涙目になりながら、キッと翔を睨むと、

「だって、分かってないだろ」

翔は、怯むことなく真っ直ぐに私を見て、そう言った。

分かってないって……

「分かってるわよ!先輩とっ……やり直して欲しいんでしょっ」

「違う」

「……え?」

即答だった。
まるで私の発言を予知していたみたいに、あまりにも早く否定された。

違うって……じゃあ、どういうこと?

さっぱり意味が分からなくなった私に、翔は「ほら、やっぱり分かってねーじゃん」と、小さく言って、

「俺は……」

何か続けようとして、止まった。


「……」

流れる沈黙。

「何?」と声をかけることは簡単なのに、何故だか声をかけてはダメな気がして。

ドキドキ、ドキドキ。
待っているこっちが緊張して、不安になる。

すると、やっと翔は口を開いた。