「はぁー」と、大きなため息をつく翔。
「お前なぁ……」
呆れた声で何かを続けようとして、「まぁいいや」と取り消した。
そして、
「檜山……」
翔の声色が、真剣なものに変わる。
――大事なことを話す。
瞬間的にそう察した私は、体の熱がサァーっと奪われる、そんな感覚に陥った。
聞きたくない……だけど、聞かないわけにもいかない。
受け入れるようにゆっくりと翔の顔を見ると、翔は「ありがとう」と言わんばかりに微笑んだ。
その表情に、気持ちは一瞬緩む……けど、
「檜山、お前……藤原先輩とちゃんと話しろよ」
え――?
私は耳にした言葉が信じられなくて、目を丸くする。
藤原先輩とちゃんと話しろ……?
それって……。
それが、翔の答え――?
暗闇に突き落とされたみたいに、一気に冷める気持ち。
同時に、怒りにも似た感情が込み上げる。
何で……?
翔が優しくするから、笑ってくれたから、心の底で“もしかして”なんて、思ってしまっていた。
……バカみたい。
本当に私、バカみたい。
「……分かったわよ。翔の気持ちは分かったよっ!」



