13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「はぁー」と、大きなため息をつく翔。

「お前なぁ……」

呆れた声で何かを続けようとして、「まぁいいや」と取り消した。

そして、

「檜山……」

翔の声色が、真剣なものに変わる。

――大事なことを話す。

瞬間的にそう察した私は、体の熱がサァーっと奪われる、そんな感覚に陥った。

聞きたくない……だけど、聞かないわけにもいかない。

受け入れるようにゆっくりと翔の顔を見ると、翔は「ありがとう」と言わんばかりに微笑んだ。

その表情に、気持ちは一瞬緩む……けど、


「檜山、お前……藤原先輩とちゃんと話しろよ」


え――?

私は耳にした言葉が信じられなくて、目を丸くする。

藤原先輩とちゃんと話しろ……?

それって……。

それが、翔の答え――?


暗闇に突き落とされたみたいに、一気に冷める気持ち。
同時に、怒りにも似た感情が込み上げる。

何で……?

翔が優しくするから、笑ってくれたから、心の底で“もしかして”なんて、思ってしまっていた。

……バカみたい。
本当に私、バカみたい。

「……分かったわよ。翔の気持ちは分かったよっ!」