13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「……ごめん」

静かに謝った翔に、「ほら……」と私は落ち込む。

だけど、すぐに翔は言葉を続けた。

「檜山はさ、頑張ってたよ。今は調子良くないかもしんないけどさ……部長になってもおかしくないくらい、頑張ってた」

「そんなことっ……」

否定しようとした……のに、出来なかった。

理由は私の頭の上に、“優しさ”が乗っかったから。

「だから、自信持てって」

言いながら、翔は私の頭をポンポンと2回、叩くみたいに軽く撫でた。

「何よっ、それ……っ」

唇が震えて上手く喋れなくて、下唇をギュッと噛む。

泣きたくなくて、必死に我慢するけど……涙が一粒だけ、ポタッと勢い良く落ちて、慌てて頬を拭った。

何でこんないきなり優しくするの……?

私のことフるから、その罪滅ぼしのつもり……?

「……ち悪いんだけど」
「ん?」
「翔がこんなことすんの、気持ち悪いんだけどっ」
「……」

翔は数秒固まった後、「はぁ!?」といつものように眉をしかめた。

何てことを言ってるんだろう……って自分でも思った。

本当に伝えたい言葉は全然違う。

だけど、あまりに急に優しくするから、恥ずかしくて……怖い。