「……ごめん」
静かに謝った翔に、「ほら……」と私は落ち込む。
だけど、すぐに翔は言葉を続けた。
「檜山はさ、頑張ってたよ。今は調子良くないかもしんないけどさ……部長になってもおかしくないくらい、頑張ってた」
「そんなことっ……」
否定しようとした……のに、出来なかった。
理由は私の頭の上に、“優しさ”が乗っかったから。
「だから、自信持てって」
言いながら、翔は私の頭をポンポンと2回、叩くみたいに軽く撫でた。
「何よっ、それ……っ」
唇が震えて上手く喋れなくて、下唇をギュッと噛む。
泣きたくなくて、必死に我慢するけど……涙が一粒だけ、ポタッと勢い良く落ちて、慌てて頬を拭った。
何でこんないきなり優しくするの……?
私のことフるから、その罪滅ぼしのつもり……?
「……ち悪いんだけど」
「ん?」
「翔がこんなことすんの、気持ち悪いんだけどっ」
「……」
翔は数秒固まった後、「はぁ!?」といつものように眉をしかめた。
何てことを言ってるんだろう……って自分でも思った。
本当に伝えたい言葉は全然違う。
だけど、あまりに急に優しくするから、恥ずかしくて……怖い。



