ガラガラガラッ。
「……っ!?」
突然聞こえたドアを開ける音に目を向けると、出てきたのは翔。
翔は私を見るなり目を見開いて、
「……マジで待ってたんだ」
と、驚いた様子で言った。
「な、何よそれ」
もしかして、からかわれただけ?
「翔が待てって言ったんでしょ!?最悪っ!」
恥ずかしさからカッとなった私は、いきなり怒鳴って立ち去ろうとする……けど、
「待てって。ごめんっ」
腕を持たれた反動で振り返り、翔の顔が目に入る。
「マジで待ってくれてると思わなかったんだよ」
「っ……」
「ありがとう」
……何よ、それ。
心の中で、またその言葉を呟いた。
だって、ずるい。
そんな柔らかな笑顔で“ありがとう”なんて言われたら、怒った私が馬鹿みたいじゃない……。
でも……嬉しくて。
私は素直に頷いた。
そして私達は、陽があまり当たらなくて薄暗い、階段の踊り場に移動した。
ドクンドクンと、一層強さを増す胸の鼓動。
どのくらい……話してなかったんだろう。
翔とまたこうやって一緒にいることが、夢みたいに思えた。



