13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


ガラガラガラッ。

「……っ!?」

突然聞こえたドアを開ける音に目を向けると、出てきたのは翔。

翔は私を見るなり目を見開いて、

「……マジで待ってたんだ」

と、驚いた様子で言った。

「な、何よそれ」

もしかして、からかわれただけ?

「翔が待てって言ったんでしょ!?最悪っ!」

恥ずかしさからカッとなった私は、いきなり怒鳴って立ち去ろうとする……けど、

「待てって。ごめんっ」

腕を持たれた反動で振り返り、翔の顔が目に入る。

「マジで待ってくれてると思わなかったんだよ」

「っ……」

「ありがとう」

……何よ、それ。

心の中で、またその言葉を呟いた。

だって、ずるい。

そんな柔らかな笑顔で“ありがとう”なんて言われたら、怒った私が馬鹿みたいじゃない……。

でも……嬉しくて。

私は素直に頷いた。



そして私達は、陽があまり当たらなくて薄暗い、階段の踊り場に移動した。

ドクンドクンと、一層強さを増す胸の鼓動。

どのくらい……話してなかったんだろう。

翔とまたこうやって一緒にいることが、夢みたいに思えた。