13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


ビクッとして、固まる体。

な、何……?

思いながらも振り返ることは出来なくて、指先が微かに震える。

「ちょっと待ってて」

え……。

一方的な言葉と、ガラガラとドアが閉まる音を残して、翔の気配は消えた。


『待ってて』なんて、何で……?

有り得ないくらいにドキドキしている胸が、気分を悪くさせる。

どんな顔して会えばいいの?
何を話すっていうの?

……やだ。絶対にやだ。



「……」

思わず泣きそうになってしまうくらい、翔と向き合うのが怖いのに……待っているのは何故だろう。

職員室のドア横の壁に背中を付けて、私は突っ立っていた。


なかなか出てこない翔。

自分のことを考えるのは苦しくて、何の用事だろう……とか、考えてみる。

翔だから、追試とか課題の未提出とか?
それとも……もしかして……。

不意に頭に浮かんだのは、私と同じ要件。

男子バレー部の部長に……って、話だったりして。

「まさかね」と笑ってみるけど、未だに職員室から出てこない翔に、胸がざわざわする。

……もし、もし本当にそうだったら、私は部長やめなきゃ。

翔との接点、増えたら私――。