♪佳奈side♪
「かーなちゃんっ。池ちんが呼んでたよ」
お昼の休憩時間。
頬杖をついて、開いたケータイを見つめる私に、亜耶が話しかけて来た。
「何?誰かからメール?」
「あ……ううん」
ディスプレイに映るのは、ただの桜の待ち受け。
「ちょっとボーッとしてた」
ケータイをパタンと閉じて苦笑すると、
「そう……」
亜耶は何か言いたそうにしながらも、「早く先生の所行っておいでよ」と、急かす。
「池ちん、何の用事って?」
池ちんこと池田先生は、女子バレー部の顧問教師。
「……行ったら分かるよ」
意味深に笑う亜耶を不思議に思いながら、私は席を立った。
あれから亜耶は……いたって“普通”。
藤原先輩のことを口にしなければ、翔のことも口にしない。
それはいつもの、“何も知らない、恋愛に疎い亜耶”。
そんな態度をもどかしく思いながらも、何も言えないのは……
“楽”だと亜耶が言ったから。
亜耶が楽ならそれで良い。
わざわざ辛い思いをさせることもない。
だから私は今の亜耶を、黙って受け入れていた――。
「かーなちゃんっ。池ちんが呼んでたよ」
お昼の休憩時間。
頬杖をついて、開いたケータイを見つめる私に、亜耶が話しかけて来た。
「何?誰かからメール?」
「あ……ううん」
ディスプレイに映るのは、ただの桜の待ち受け。
「ちょっとボーッとしてた」
ケータイをパタンと閉じて苦笑すると、
「そう……」
亜耶は何か言いたそうにしながらも、「早く先生の所行っておいでよ」と、急かす。
「池ちん、何の用事って?」
池ちんこと池田先生は、女子バレー部の顧問教師。
「……行ったら分かるよ」
意味深に笑う亜耶を不思議に思いながら、私は席を立った。
あれから亜耶は……いたって“普通”。
藤原先輩のことを口にしなければ、翔のことも口にしない。
それはいつもの、“何も知らない、恋愛に疎い亜耶”。
そんな態度をもどかしく思いながらも、何も言えないのは……
“楽”だと亜耶が言ったから。
亜耶が楽ならそれで良い。
わざわざ辛い思いをさせることもない。
だから私は今の亜耶を、黙って受け入れていた――。



