「え?」と言わんばかりの顔で、きょとんとする先輩。
俺がこういうこと言うのって、傷口に塩を塗るようなものかもしれない。でも、
「あいつ先輩のこと、ずっと気にしてるみたいで……」
何度も見た、檜山の苦しそうな表情。
それはきっと、藤原先輩に対しての罪悪感から。
檜山だけに辛い気持ちを押し付けて、自分は変わらず藤原先輩と仲良くしてる……そんなの、許せなかった。
「元はと言えば、俺が檜山に付き合おうって持ちかけたんです。その時の俺、元気なくて……。だから檜山のこと……」
「ふっ……ははっ」
言葉の途中で、先輩はいきなり笑い出すと、
「ごめんっ……お前らって、よく似てんのな」
「へ……?」
「同じこと言われたんだ。佳奈ちゃんにも」
檜山と藤原先輩が別れた翌日。
悪いのは自分で、翔は悪くない。だから、翔とはこれからも仲良くして欲しい……そんな内容のメールが檜山から来たことを、先輩は教えてくれた。
「何だかんだでお互いのこと、しっかり想い合ってんじゃん」
からかうように笑って言われた言葉に、ほんの少し胸が痛む。



