13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「……それってさ、俺に喧嘩売ってんの?」

「えっ!?いやっ、そんなつもりは……っ!!」

そんなつもりは全くなかった。
だけど、よく考えてみればそう取れる自分の発言に、ドッと冷や汗が吹き出る。

やばい……どうしよう。
焦りに焦っていたその時、

「……ははっ!」

堪えていた笑いが吹き出たみたいに、藤原先輩は笑って、

「ごめんごめん!冗談だから!」

顔の前で両手を合わせた。

「……」

何だ、それ……。

気が抜けて、呆然とする。

声を出して笑っていた先輩は、笑うのを止め、穏やかな笑顔を作り直した。

そして、

「聞きたいことがあるなら、聞いていいよ」

少し大きめの声で言われた言葉は、まるでエコーがかかったみたいに、静かな体育館に響いた。


聞きたいことは……、
檜山とのこと――。


でも、

「……別に何もないですよ?いきなりどうしたんですか?」

俺も笑顔を浮かべて……誤魔化そうとしていた。

すごく聞きたいことはあるのに、何故だか聞くのがすごく嫌に思えた。

「いや、ないならいいよ。じゃあさ……俺がちょっと聞いてもいい?」