13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「変なこと言っちゃってごめんね。先輩の気持ち、勘違いして欲しくなかった……それだけだから」

「じゃあね」と微笑んで、背中を向ける亜耶。

私は返事もせずに、離れていく亜耶を見つめる。


全部……全部見透かれてた、私の気持ち。

亜耶の指摘したそれは、私自身気付かなかった気持ちさえ、見透かしていた。

『あたしと藤原先輩をくっ付けようと思ってるなら、それは無理だよ……?』

そんなことをしようとしている自覚はなかった。

だけど、

『藤原先輩は、本当に佳奈ちゃんのことが好きなんだよ?』

亜耶から教えてもらった事実が、正直ショックだった。

普通に考えれば嬉しいはずのこと。
それがショックだったのは……藤原先輩の本当に好きな人が、別にいればいいと思っていたから。

本当は元カノのことが好きで、でもフラれて、それで私を好きになろうとしたのなら――

なんて、汚なすぎる考えが、心の底に確かにあった。

それを教えてくれたのは……亜耶。

恋とかそういうのに疎いと思っていた亜耶が、私よりもよく知っていた。

何で……?

「……亜耶っ!」

私は声を張り上げて呼んだ。