「だから……藤原先輩は、本当に佳奈ちゃんのことが好きなんだよ?」
「っ……そんなこと言われても」
訴えるように言われた、亜耶のその言葉が苦しくて、思わず目を逸らすけど、
「ねぇ、ダメ?先輩のこと好きじゃないっ!?もう先輩とは付き合えないっ!?」
「あ、亜耶……?」
私の両腕を掴んで、問いかける亜耶の表情は“必死”そのもので……。
暗くてはっきりとは分からないけど、目には涙を浮かべているように見えて……。
怯みかけたその瞬間、
「やっぱり無理だよね……」
亜耶は両手の力を抜いて、スルリと落とすように手を離した。
「佳奈ちゃんは……岡田くんのことが好きなんだもんね」
「……えっ!?」
「気付いてないと思ってた?」
やんわりと苦笑する亜耶に、恥ずかしさから私の顔は熱くなる。
「……岡田くんとは上手く行ってないの?」
「……」
その質問に上手く答える自信がなくて黙っていると、亜耶は「そっか」と小さく呟いて、
「人のこと、簡単に好きになるのに……その後って難しいね」
悲しそうに笑って言った言葉に、胸をギュッと掴まれる……そんな思いになった。



