13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「あ……」

何の悪気もなく、純粋に微笑む亜耶の表情に、胸が苦しくなる。

「別に……大したことじゃなかったよ」

泣きそうになってしまいそうになるのを、グッと堪えて笑った。

「え……でも……」
「本当に!そんなことで呼ぶなって感じのことだったから!」

きっと何かおかしいと感じただろう亜耶に、私は深く詮索されたくなくて、更に笑ってみせた。


聞かないで。触れないで。

今は自分でも考えたくない。
“翔と私”のことは、考えたくない。

それを考えると、嫌で嫌でたまらなかった学校。

行くためには……行かなきゃならない理由が必要だった。

藤原先輩の元カノ捜しは、その“理由”。


もちろん、私自身が知りたいって思う気持ちもあるし、

翔と藤原先輩、ふたりに申し訳なく思ってる気持ちも本物。

だけど、

私は逃げたかった。

今、私自身の状況を考えることから、とにかく逃げたかった――。