「何?やっぱり先輩のこと気になるの?」
私に気を遣って知らないふりをしているんじゃなくて、本当に何も知らない様子だから、深くは聞けない。
「違うよ」と否定するけど、友達は「頑張りなよ!」と肩を叩いて、歩いて行った。
藤原先輩、内緒で誰かと付き合ってたのかな……。
でも、私の時は公にしてたのに何で……?
ますます深まる謎に、ボーッと考え事をしながら歩いていると、
「佳奈ちゃん、おはよっ」
いつ近付いて来たのか、亜耶が横から顔を出した。
「あっ、おはよ。亜耶は……」
『藤原先輩の元カノ知ってる?』そう続けようとして、止まる。
亜耶が知ってるわけないか……。
今まで誰も知らなかったんだもん。私と先輩が別れたことすら知らなかった亜耶が、知ってるはずがない。
「……ううん。何でもない」
私は質問するのをやめた。すると、
「ねぇねぇ、聞いてもいいかな?」
亜耶も何か聞きたいことがあったみたいで、ピッタリと身を寄せてきた。
「金曜日、何だったの?」
「え?」
「岡田くんに呼び出されてた……でしょ?」



