13センチの片想い。私とアイツの恋の距離



「藤原先輩の元カノ?」

私の質問に、立ち止まってきょとんとしたのは、同じバレー部の友達。

「それって佳奈のことでしょ?」
「いや、私の前!私の前に付き合ってた人!」
「知らない……てか、佳奈の前に誰かと付き合ってたとか、聞いたことないよ」


あんなに憂うつに思っていた、月曜日の朝。

私はバレー部の友達に会うなり、藤原先輩の元カノについて、片っ端から聞いていた。

元カノを知って、どうしたいのかは分からない。

ただ、藤原先輩はどうして私のことを好きになったんだろう……そんなことを考えていたら、行き着いた先は“元カノ”だった。

私と付き合う前、初めて言葉を交わした夏祭りの夜、藤原先輩は確かに「彼女と一緒にいた」ということを言っていた。

自分のことで精一杯だったから、はっきりと覚えているわけじゃないけど……あの時、先輩は悲しそうな顔をしていて、

何となく“元カノ”が、私を好きになってくれた理由に、関係しているような気がした――。


藤原先輩に、私の前に彼女がいたのは確かな事実。

なのに、

「そっか……ありがと」

誰もそのことを知らない。