私の口角も自然と上がる。
だけど、
「……」
あるものが目に入った瞬間、微笑みはスッと消えて、
胸がまた……痛くなった。
私が手に取ったそれは、何の可愛げもない普通すぎるノート。
にも関わらず、すごく大切に思ってしまっているのは……このノートが、翔からのプレゼントだから。
バレー部のクリスマス会で、偶然渡って来た、翔のプレゼント。
思い出そうとしなくても、あの日の光景が頭の中に蘇る。
藤原先輩と、楽しそうに話してた翔……。
翔は本当に、先輩のことを慕っている。
だから、冷静に考えれば、翔が私に怒りたくなった理由もよく分かる。
知らなかったとはいえ、良くしてくれる先輩を……裏切ったことになるのだから。
「私って最悪だね……」
私の自分勝手な行動で傷付けたのは、藤原先輩だけだと思っていたけど、翔のことも傷付けた。
「どうした?」と、近付いてくる都の気配。
藤原先輩にも、翔にも、許して欲しいと思うなんて、それこそ自分勝手だ。
でも……
「私、何をしたらいいのかな……」
ふたりの為に出来ること、探さずにはいられなくて――。



