13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


私の口角も自然と上がる。

だけど、

「……」

あるものが目に入った瞬間、微笑みはスッと消えて、

胸がまた……痛くなった。

私が手に取ったそれは、何の可愛げもない普通すぎるノート。

にも関わらず、すごく大切に思ってしまっているのは……このノートが、翔からのプレゼントだから。

バレー部のクリスマス会で、偶然渡って来た、翔のプレゼント。


思い出そうとしなくても、あの日の光景が頭の中に蘇る。

藤原先輩と、楽しそうに話してた翔……。


翔は本当に、先輩のことを慕っている。

だから、冷静に考えれば、翔が私に怒りたくなった理由もよく分かる。

知らなかったとはいえ、良くしてくれる先輩を……裏切ったことになるのだから。

「私って最悪だね……」

私の自分勝手な行動で傷付けたのは、藤原先輩だけだと思っていたけど、翔のことも傷付けた。

「どうした?」と、近付いてくる都の気配。

藤原先輩にも、翔にも、許して欲しいと思うなんて、それこそ自分勝手だ。

でも……

「私、何をしたらいいのかな……」

ふたりの為に出来ること、探さずにはいられなくて――。