13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


「もう、いっそのこと死んでしまいたい……」

ベッドの隣に置いた小さなテーブルに頭を乗せて、私はかすれた声で呟いた。

「なかなか佳奈らしくなくなってるねー」

そう笑いながら、私の真向かいで課題をやっているのは、都。

広げられた教科書を都がめくる度、頭にそれがカサカサと当たる。


土曜日の昼下がり。

昨日の夜から、都はうちに滞在している……と、いうよりも、今回は“してくれている”の方が正しい。

昨日学校を出てから、泣きながら都に電話した。
そんなの、らしくないけど……堪えられなかった。

そしたら、都はうちに来てくれた。


「月曜、どんな顔して行けばいいの……?」

ずっと繰り返してる、この質問。

「せっかく告ったんだから、好き好きオーラ全開でいいじゃん!」

始めは真面目に話してくれていた都も、何を言っても無駄だと学んだのか、今ではこんな感じ。

「……ばか」

都と、そして自分自身に対して、口をへの字にした。

……告白なんて、するつもりはなかった。

なのに、勢いでカミングアウトしてしまった、「好き」の気持ち。