13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「は!?」

今度は俺が友達の発言に固まると、

「いや、これは正しいかどうか分かんねーから!」

友達は慌てて訂正しながら、「でも」と深刻な顔で続ける。

「翔が檜山さんと付き合い始めたのっていつ?」

「……年明けて、学校始まってすぐだけど」

「藤原先輩と檜山さんが別れたのも……ちょうど同じ時期なんだ。それで、これは俺の勝手な憶測だから信じなくていいけど……」

友達の言葉の続きに、嫌な予感が走る。

「檜山さん、翔と付き合うことになったから、藤原先輩と別れたのかな……って」

「……」

「何となく、翔のこと好きそうな気がしてたし」

……声が出せない。

「そんなことあるわけねーじゃん」って笑いたいのに、声が出せない。

「あ、お前に別れろって言いたいわけじゃないから!お前らが付き合いたいんなら、それはそれで良いと思う」

友達の言葉は、頭に入っているようで入ってなくて。

ザワザワとする気持ち。

「ただ、先輩が引退するまでは、上手くやれってことで……って、翔っ!?」

友達の話を最後まで聞こうともせずに、俺は走り出していた。

向かった先はもちろん、檜山のところ――。