「いや、お前らがバレンタインの日に一緒に帰ってんの見たって奴がいてさ……。俺も今日の放課後、お前らが一緒にいんの見たから……」
そう言って、言葉を濁らせる友達だけど、
「でも、やっぱ違うよな!」
俺の驚いた様子を見てか、すぐに笑って発言を撤回した。
「翔と檜山が付き合ってるはずないよな!変なこと聞いてごめん!」
ポンポンと、俺の肩を叩く友達。
何だろう……この、モヤモヤする気持ち。
「……付き合ってるよ」
「へ?」
「檜山と付き合ってるよ」
こいつがどうして、こんなことを聞いてくるのか分からない。
自分がどうして、答えているのかも分からない。
でも……言わずにはいられなかった。
「ま……マジ?」
驚く友達に「うん」と頷くと、「マジかよ……」と呟いて、そいつは頭を抱えた。
「何だよ?」
友達のその行動は明らかに変で、
「お前……檜山のことが好きだった、とか?」
考えられるひとつの原因を口にするけど、「ちげーよ」と一言であっさりと否定された。
「やっぱり翔は、知らないんだな」
知らない……?
「何を?」



