13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

☆翔side☆


廊下に響く、檜山の足音。

それは、だんだんと遠ざかって……聞こえなくなった。


「……」

檜山を追いかけるとか、追いかけないかとか、そんなことを考える余裕さえなくて、

真っ白になった頭の中に、檜山に言われたふたつの言葉が浮かんでいた。



なぜこんなことになってしまったんだろうと思い返せば、それは部活が終わった直後のことだった。


「翔、ちょっと話があるんだけど」

体操着から制服に着替えている最中、既に着替え終えた友達が話しかけて来た。

「ん?何?」
「ここじゃちょっと……。外出れる?」
「いいけど……」

いつもと違う、改まった様子に「何だろう」と不思議に思いながら、誘われるまま外に出た。


「あの、さ……変なこと聞くんだけどさ……」

いつの間にか日が沈んで、暗くなってしまった外。

気まずそうな表情で、友達が聞いてきたこと。

それは――

「お前って、檜山さんと付き合ってんの……?」

全く予想していなかった質問で、

「……はっ?」

俺は思わず目を丸くした。