「なっ……」
私が口を開かなくても、様子で事実を察したんだろう。
「どういうことだよっ!」
翔は私の両腕を掴んで、強張った顔で怒鳴った。
……痛い……痛い。
数時間前、あんなに翔の言葉が嬉しかったのに、
今は、翔の言葉が痛くてたまらない。
何で……?
何でこんなこと聞くの……?
じわじわと込み上げて来る涙に、私は俯く。
だけど翔は逃がしてはくれなくて、「なぁ!?」と私を揺さぶった。
その瞬間、プツンッ……と切れる音がした。
――心の糸が切れる音。
「……そうよ」
私は俯いたまま、口を開く。
「翔が思ってる通りよ。翔と付き合うことにしたから、先輩と別れたの」
言わなくてもいいことを、口にしているのは分かってる。
でも、もう限界だった。
気付いて、気付いて……って、心の声がさけんでる。
「何で……」
目の前から聞こえた、翔の声。
何で?……ふざけないでよ。
「何でって、翔が好きだからに決まってるでしょっ!?」



