13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「なっ……」

私が口を開かなくても、様子で事実を察したんだろう。

「どういうことだよっ!」

翔は私の両腕を掴んで、強張った顔で怒鳴った。

……痛い……痛い。

数時間前、あんなに翔の言葉が嬉しかったのに、
今は、翔の言葉が痛くてたまらない。

何で……?
何でこんなこと聞くの……?

じわじわと込み上げて来る涙に、私は俯く。

だけど翔は逃がしてはくれなくて、「なぁ!?」と私を揺さぶった。


その瞬間、プツンッ……と切れる音がした。

――心の糸が切れる音。


「……そうよ」

私は俯いたまま、口を開く。

「翔が思ってる通りよ。翔と付き合うことにしたから、先輩と別れたの」

言わなくてもいいことを、口にしているのは分かってる。

でも、もう限界だった。

気付いて、気付いて……って、心の声がさけんでる。

「何で……」

目の前から聞こえた、翔の声。

何で?……ふざけないでよ。


「何でって、翔が好きだからに決まってるでしょっ!?」