13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


でも、私の前を行く翔は何だかとても冷たくて……恐怖を感じるのに時間はかからなかった。


「……ねぇ、何なのっ!?どこ行くのっ!?」

雰囲気に耐えられなくなって、私は翔の腕を振るい落とした。

「……」

ゆっくりと振り返る翔が怖い。
だけど、目を逸らすことも出来ない。

「あのさ、檜山……」

翔はいつになく真剣な眼差しで、私を見つめる。

そして口にしたことは……

「お前さ、藤原先輩と付き合ってたってマジ?」

「え……?」

それは、全く予想していなかった質問で、私は硬直する。

「でも、あれだろ?檜山がフラれた側だろ?」

「だよな?」と続ける翔は、私に頷いてくれと言わんばかりの苦笑いを浮かべてる。

ちょっと待ってよ……。

状況が上手く飲み込めない私は、どうしたらいいか考える余裕もなくて、ただ素直に首を横に振った。

そんな私の反応に、翔は一瞬目を見開く……けど、すぐにまたヘラヘラした顔をして、

「あ、でもさ、俺と付き合う前から……別れてたんだよな?」

そう訊ねてきた。

「……」

頭はまだパニックを起こしているけど、翔が気にしていることは分かってきてしまって……

だから、返事の出来ない私。