「えー、気になる!教えてー」
そう言ってついてくる亜耶に、「気が向いたらね」なんて意地悪を言いながら、いつかそのうち言えたらいいなって思ってた。
そして、それは……私達が玄関に着いてからのこと。
「ねぇ、どうしたら教えてくれる?」
なかなか諦めない亜耶に、私は苦笑しながら、下駄箱から靴を取ろうとした……その時、
「檜山っ!!」
玄関に響いた私の名前。
驚いて見ると、息を切らせた翔が立っていて、
私の方にズンズンと歩いて来ると、下駄箱へ伸ばした私の腕を掴んだ。
「なっ、何っ!?」
「ちょっと話あるから来て。 ごめん、檜山借りるから」
翔は、私の隣で呆然としていた亜耶に一方的に謝ると、掴んだ腕を引いて歩き出す。
「はっ?何?何なのっ!?」
突然の状況に慌てるけど、翔は何も答えない。
「ごめん亜耶、先に帰ってて!」
私の言葉に「うん」と頷く亜耶。
そんな亜耶もまた、驚いた表情を浮かべていた。
無言で歩き続ける翔。
廊下には、足音だけが響く。
今日二度目に触れられた体。
しっかりと掴まれた手首は痛くて……熱い。
部活前の翔の発言のこともあって、最初は正直期待していた。



