13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「えー、気になる!教えてー」

そう言ってついてくる亜耶に、「気が向いたらね」なんて意地悪を言いながら、いつかそのうち言えたらいいなって思ってた。


そして、それは……私達が玄関に着いてからのこと。


「ねぇ、どうしたら教えてくれる?」

なかなか諦めない亜耶に、私は苦笑しながら、下駄箱から靴を取ろうとした……その時、

「檜山っ!!」

玄関に響いた私の名前。

驚いて見ると、息を切らせた翔が立っていて、

私の方にズンズンと歩いて来ると、下駄箱へ伸ばした私の腕を掴んだ。

「なっ、何っ!?」

「ちょっと話あるから来て。 ごめん、檜山借りるから」

翔は、私の隣で呆然としていた亜耶に一方的に謝ると、掴んだ腕を引いて歩き出す。

「はっ?何?何なのっ!?」

突然の状況に慌てるけど、翔は何も答えない。

「ごめん亜耶、先に帰ってて!」

私の言葉に「うん」と頷く亜耶。
そんな亜耶もまた、驚いた表情を浮かべていた。


無言で歩き続ける翔。
廊下には、足音だけが響く。

今日二度目に触れられた体。
しっかりと掴まれた手首は痛くて……熱い。

部活前の翔の発言のこともあって、最初は正直期待していた。