♪佳奈side♪
翔と会うのが嫌だった。
翔と話すのが怖かった。
自分に都合の悪い噂は、いとも簡単に信じてしまいそうになるのに、
都合の良い噂は、「嘘かもしれない」って、信じられなくて。
だから、津田先輩が彼氏と仲直りしたと聞いても、信じることは出来なくて……
翔に呼び止められた時、「泣いてしまうかも」って思うくらい、怖かった――。
……なのに、
「……何?」
ひとり取り残された廊下で、私は小さく呟いた。
『苺先輩と何もないから』
頭の中で繰り返すのは、翔のその言葉――。
何……何なの……?
何でわざわざ、そんなこと私に言うの……?
翔と津田先輩の関係……それは、私が一番気にしていたこと。
だけどそれを翔の口から聞くなんて、思ってもみなかった。
しかも、私は何も訊ねていない。
喋ったのは……翔自身。
「……」
だんだんと熱を帯びる顔を、隠すみたいに口元へ手を当てる。
何期待してんの……?
私が思うほど、翔の発言に意味はないかもしれない。
期待するほどバカだって、分かってる。
分かってるけど、
“嬉しい”
この気持ちを止められそうにない。
翔と会うのが嫌だった。
翔と話すのが怖かった。
自分に都合の悪い噂は、いとも簡単に信じてしまいそうになるのに、
都合の良い噂は、「嘘かもしれない」って、信じられなくて。
だから、津田先輩が彼氏と仲直りしたと聞いても、信じることは出来なくて……
翔に呼び止められた時、「泣いてしまうかも」って思うくらい、怖かった――。
……なのに、
「……何?」
ひとり取り残された廊下で、私は小さく呟いた。
『苺先輩と何もないから』
頭の中で繰り返すのは、翔のその言葉――。
何……何なの……?
何でわざわざ、そんなこと私に言うの……?
翔と津田先輩の関係……それは、私が一番気にしていたこと。
だけどそれを翔の口から聞くなんて、思ってもみなかった。
しかも、私は何も訊ねていない。
喋ったのは……翔自身。
「……」
だんだんと熱を帯びる顔を、隠すみたいに口元へ手を当てる。
何期待してんの……?
私が思うほど、翔の発言に意味はないかもしれない。
期待するほどバカだって、分かってる。
分かってるけど、
“嬉しい”
この気持ちを止められそうにない。



