13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


苺先輩はもちろんだけど、そんな苺先輩と付き合っている――

「あ、西藤先輩とは?」

俺が思い出したように聞くと、中野先輩はニッと笑顔で返事した。

「良かった……」

それは、心から零れる気持ち。
……なのに、

「本当に〜?苺達が別れた方が良かったと思ってんじゃないの?」

肘でうりうりと、中野先輩は俺を小突く。

「やめてくださいよー。本気で良かったと思ってますってば!」

「……なら、良かった」

柔らかく微笑んだ中野先輩は、安心したような表情で、

「ありがとうございます」

“良かった”その言葉の中には、失恋から立ち直れた俺のことも、きっと含まれていた。


「じゃあ、わたしそろそろ戻るね。あんまり離れると……メグに苺とられそうだから」

自分で言って笑いながら、中野先輩は「バイバイ」と背を向けた。


教室へと戻りながら、俺もフッと笑う。

だって、俺の予想通り一日で、本当に仲直りしてしまっているから。

素直すぎる苺先輩。
だから、友達にも彼氏にも好かれてて、すぐに仲直り出来るんだと思った。

そんな苺先輩のことが、好きで好きでたまらなかったはずなのに……今は驚くほど静かな気持ちで。