13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

☆翔side☆


――檜山に避けられてる。

名前を呼んでも返事はないし、どんなに視線を送っても、こっちに見向きもしない。

俺を無視する、そのあからさまな態度に、すぐ気付いた。


何なんだよ、あいつ。
帰り際に絶対捕まえてやる。

そんで……って、あれ?

檜山を捕まえる所まで考えて、思考はストップする。

捕まえて……どうすんの?


檜山に何か伝えたいことがある。

でも、それをはっきりと口に出せと言われたら……分からない。

いや、俺と苺先輩が一緒にいるところを、檜山に見られたから……。

でも、それで?
俺は何を言おうとしてんの?

自分に自分で問いかけていると、

「岡田」

「えっ、あっ!」

呼ばれた声にビクッとして、振り返った。

すると、後ろに立っていたのは藤原先輩。

やばっ……!

練習中によそ見をしていたことを、咎められると思った。

でも、

「大丈夫?」

先輩の口から出たのは、俺を心配する言葉。

「ほら、すごい噂になってたからさ。岡田大丈夫かなって思って」

苦笑しながら続けられた言葉に、何のことだかすぐにピンと来た。

苺先輩と、西藤先輩と、間先輩と……俺の関係。