13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


そして迎えた放課後――。

翔は部活に来ないような気がしてた。

……のに、体育館には部活の準備をする翔の姿があって、びっくりした。

「あっ!檜山っ……」

目が合って、私の名前を読んだ翔。

だけど私は、逃げるように背を向け、体育館倉庫へと足を進める。

“追って来られたらどうしよう”

そう心配するけど、翔を呼ぶ男子の声がすぐにして、翔は捕まったみたいだった。

「お前、先輩と付き合い始めたってホントっ!?」

微かに聞こえた男子の質問。

――やめて。聞きたくない。

私の足は自然と、駆け足になっていた。


教室では、あんなに翔のことを気にしていたくせに、

真実を知りたいくせに、

いざ知りそうになると、怖かった。


『津田先輩と付き合うことになったから、別れて』

そう言われるのが怖くて、
私は必死に翔を避けていた――。