少し震えている苺先輩の声に、「そっか……」と相づちを打ちながら、心の中では“やっぱり”って思った。
友達っていうのはきっと、間先輩のこと。
何が理由かまでは分からないけど、ふたりに何かあったことは分かっていた。
でも……
「大丈夫だって」
俺は苺先輩の顔を見て、ニコッと笑う。
「苺先輩は、喧嘩した相手を“友達”って呼んでる。友達なら、きっと気持ち伝わるから」
ちょっとクサイかも……なんて自覚しながらも、口に出した言葉。
苺先輩は、それを真面目に聞いてくれて、
「……大丈夫かな?」
小さく頼るような声に、
「大丈夫!」
俺は大きく頷いた。
気休めなんかじゃない。
本当に大丈夫だと思った。
だって、さっき俺と目が合った間先輩も、苺先輩と同じ寂しそうな顔をしていたから――。
「ありがとう」
ゆっくりと微笑んだ苺先輩に安心して、「じゃあ、そろそろ戻ろっか」と、声をかけようとした時だった。
「……」
不意に目に入った、真っ正面の校舎の中。
2年生の教室が並ぶ3階から、こっちを見ているひとりの女子。
それが誰だか分かった瞬間、そいつは逃げるように背を向けた。



