「久しぶりに、一緒に食べようと思って!」
片手に持った弁当を顔の位置まで上げて、俺はニッと笑って見せる……けど、
「何で……?」
そう訊ねる苺先輩の顔は、驚いた表情のまま。
「やっぱ無理か」
いくら中野先輩に頼まれたとは言え、彼氏がいる女の子を昼食に誘うなんて、さすがにまずかったかな……と、諦めるように笑うと、
「……いいよ」
苺先輩はフッと笑顔を浮かべて、頷いた。
「じゃあ、ちょっと待ってて。友達に話してくる」
「うん」
教室へ戻り、さっき立ち話をしていた女子に謝っている苺先輩。
そんな様子を見ていたら……誰かの視線が突き刺さるような気がして、そっちを見た。
……え?
俺を見つめる人は確かにいて、
目が合うと、逃げるように顔を背けられた。
その人は……間先輩。
何で……?
疑問に思ったのは、見られていたことに対してではなく、
間先輩が教室の隅の席でひとり、弁当を広げていたから。
苺先輩と間先輩は友達で、ふたりは2年生の時、一緒に昼食をとる仲だった。
だから、また同じクラスになったのなら、変わらずそうしているのが普通のはずで……。



