13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「久しぶりに、一緒に食べようと思って!」

片手に持った弁当を顔の位置まで上げて、俺はニッと笑って見せる……けど、

「何で……?」

そう訊ねる苺先輩の顔は、驚いた表情のまま。

「やっぱ無理か」

いくら中野先輩に頼まれたとは言え、彼氏がいる女の子を昼食に誘うなんて、さすがにまずかったかな……と、諦めるように笑うと、

「……いいよ」

苺先輩はフッと笑顔を浮かべて、頷いた。

「じゃあ、ちょっと待ってて。友達に話してくる」
「うん」

教室へ戻り、さっき立ち話をしていた女子に謝っている苺先輩。

そんな様子を見ていたら……誰かの視線が突き刺さるような気がして、そっちを見た。

……え?

俺を見つめる人は確かにいて、

目が合うと、逃げるように顔を背けられた。

その人は……間先輩。

何で……?

疑問に思ったのは、見られていたことに対してではなく、

間先輩が教室の隅の席でひとり、弁当を広げていたから。


苺先輩と間先輩は友達で、ふたりは2年生の時、一緒に昼食をとる仲だった。

だから、また同じクラスになったのなら、変わらずそうしているのが普通のはずで……。