13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「中野先輩は?」
「わたしはこれから、バスケ部の集まりがあるんだ」

「ごめんね」と、申し訳なさそうに謝って、中野先輩は走って行った。

何で俺に頼むんだろう……なんて少し思うけど、何となく予想はついている。

きっと、西藤先輩絡みのこと。

じゃないと、中野先輩は真っ先に、西藤先輩に頼むと思うから……。



教室へ戻って、母さんが作ってくれた弁当を持つと、またすぐに教室を出た。

向かった先は、3年生の教室。

苺先輩が何組になったのか知らなくて、どうしようかと思ったけど……廊下を歩いていたら、見知らぬ人が2組だと教えてくれた。

俺と苺先輩が仲が良かったこと、まだ覚えてくれている人がいることが嬉しかった。


「津田先輩いますか?」

ちょうどドアの前に立っていた先輩に聞くと、「津田さん」と呼んでくれた。

陰から覗き込んだ苺先輩の教室は、クラス換えのせいで、全く知らない雰囲気のものとなっている。

苺先輩は、クラスメイトの女子と立ち話をしていたようで、俺を見るなり目をまん丸にした。


「翔くんっ!どうしたの?」

そう言って駆け寄ってくれた苺先輩は、本当に驚いていて、当たり前に来ていた頃を思うと、少し寂しい。