13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「そんなん決まってんじゃん」

翔はニッと笑って続けた。

「高校生活楽しまねぇと意味ないじゃん?」

-…。

「それってタラシ宣言?」
「タラシとか言うなって、まぁ可愛い女の子とは仲良くなりたいけど」
「お前それタラシじゃん!」

笑い合う二人をよそに、私は笑えない。

クラスの男子も、女子さえも、「ヤダー」なんて口では言いながら、まんざらでもなさそうに笑っている。
それなのに、私だけ笑えなかった。


私が知る限り、今まで翔は自分から女の子に告白した事はない。

そんな翔が本気ならまだしも、軽いノリで告白するなんて考えられなくて…

「翔」

一層ざわつく教室の中、私は思わず名前を呼んだ。

「…本気じゃないの?」
「何が?」

何食わぬ顔で返事を返す、そんな翔とは全く逆に、私は顔こそ冷静だろうけど、内心は緊張しながら聞く。

「本気で告ったんじゃないの?」