13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


最後に測った時の身長169㎝。

中学生の女の子で、この身長は…紛れも無く高い。

みんなからは、「カッコイイ!」だの、「モデルみたい」だの言われるけど、

別にかっこよくなりたくないし、モデルを目指してるわけでもない。

せっかく気に入った服を見つけても、試着してみれば丈が短い事が日常茶飯事。
街を歩けば、「デカッ」って目で見られる事だってある。

人より高い身長は、コンプレックス。

そんな中で、背が高いと言えば、バレーボール。
私はお決まりの様に、バレー部に所属していた。


「佳奈っ」

ポンッと背中を叩き、話かけて来たのは親友で、同じバレー部だった都(みやこ)。

「「檜山先輩、おめでとうございます!」」

都の後ろには、二人の後輩。

「ありがとう…どうしたの?」

後輩から都に視線を移す。

「そろそろ集まれってさ」
「あぁ…」

“集まれ”その言葉の意味は、都と都に付いて来た二人の後輩で、すぐに分かった。
バレー部の集まりがあるのだろう。

「じゃあ行こっか?」

軽く微笑んで足を進めようとしたが…

「待って」

都は私の腕を掴んで、足を止めた。