13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

☆翔side☆


慣れない教室。
出席番号順に並んだ、これから一年間使う、新しい机。

俺はその椅子を引いて、力なく座った。そして、鞄を抱き抱えるように、机に伏せる。


び、ビビった……。

ドキドキと、うるさい自分の胸。

何であんな風に……笑うんだよ。

そう思い出すのは、さっきの檜山。


“今日、正式にバレー部に入部する”

ただ、それだけのことを報告しただけなのに、

「分かった」と言って……微笑んだ檜山。

その表情が、あまりにも穏やかなもので、今までに見たことのないものだったから、驚いた。


最近、こんなことがよくある。

俺が苺先輩にフラれて、ひょんなことから檜山と付き合う……という形になってから。

以前と何ら変わらない、友達みたいな関係だけど、“付き合っている”ということを、やっぱり心のどこかで意識しているんだろうか。

だから、

泣きそうな檜山を心配に思ったり、

檜山からの呼び出しが、むしょうに気になったり、

柔らかく微笑んだ檜山を――。