13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


『あのなぁー、俺とお前……』

そう言って、続けようとした言葉は何だったのだろう。

もしかして……。

……ううん、そんなわけないか。
翔が私達の関係を、意識しているようには思えないし。

自分が抱いた期待に、フッと苦笑して、ひとつ先の新しい教室へ向かおうとする……と、

「佳奈ちゃんっ!」

呼ばれた名前に振り返るより早く、隣に立っていたのは亜耶。

「佳奈ちゃん、同じクラスだね」
「えっ、そうなの?」

私が聞くと、亜耶は嬉しそうに「うん」と頷くから、その表情に私も笑顔になる。

「今回のクラスね、あんま仲良い人いなくて……だから、佳奈ちゃんが一緒で良かった」

笑顔でそう話す亜耶に、「私も」と返事しようとしたけど、

「でも佳奈ちゃんは、岡田くんと離れちゃったから、やっぱり寂しい?」

「え……」

思いがけない亜耶の言葉に、思わず体が硬直する。

「……何で?」

ドクン、ドクンと鳴る鼓動。

「ほら、佳奈ちゃんと岡田くんって、いつも仲良さそうにしてるから」

言いながら、亜耶は苦笑した。

何だ……そういうことか。

意味が分かって、ホッとする。