♪佳奈side♪
夢のようだったバレンタイン。
その翌日、また今日も一緒に帰れるかも……なんて期待したけど、それはやっぱり淡い期待で、翔はいつものように友達と帰って行った。
私達の関係は、結局何も変わらない。
そうまた諦めかけたけど、そんな矢先のホワイトデー。
翔が……キャンディーの入った小瓶をくれた。
チョコをあげた女の子全員に、あげたものかもしれない。
だけど、不器用ながらに「ほら」と、こそっと私に差し出してくれたのが嬉しかった。
大きな変化はないけど、小さく……少しずつ変わっている気がして、“焦らなくていいのかもしれない”そう思いながら、
私達は二年生になった――。
ずっと変わらないと思っていた日常。
それが、大きく変わってしまったことを知ったのは……新学年、新学期の朝だった。
玄関の前。どこから出して来たのか、大きな掲示板。
「……」
それに貼り出された紙を、私は放心状態で見つめていた。
「……やまっ!檜山っ!!」
「えっ!?」
後ろから聞こえた声に振り返ると、そこには眉を寄せて私を見上げる翔がいた。
「檜山が突っ立ってると、見えないんだけど」
「なっ……!」
夢のようだったバレンタイン。
その翌日、また今日も一緒に帰れるかも……なんて期待したけど、それはやっぱり淡い期待で、翔はいつものように友達と帰って行った。
私達の関係は、結局何も変わらない。
そうまた諦めかけたけど、そんな矢先のホワイトデー。
翔が……キャンディーの入った小瓶をくれた。
チョコをあげた女の子全員に、あげたものかもしれない。
だけど、不器用ながらに「ほら」と、こそっと私に差し出してくれたのが嬉しかった。
大きな変化はないけど、小さく……少しずつ変わっている気がして、“焦らなくていいのかもしれない”そう思いながら、
私達は二年生になった――。
ずっと変わらないと思っていた日常。
それが、大きく変わってしまったことを知ったのは……新学年、新学期の朝だった。
玄関の前。どこから出して来たのか、大きな掲示板。
「……」
それに貼り出された紙を、私は放心状態で見つめていた。
「……やまっ!檜山っ!!」
「えっ!?」
後ろから聞こえた声に振り返ると、そこには眉を寄せて私を見上げる翔がいた。
「檜山が突っ立ってると、見えないんだけど」
「なっ……!」



