13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


私と翔が揃って振り向くと、そこに居たのは中3の時、クラスメートだった男子。

「よっ!何?」

返事を返す翔とは反対に、私は視線を戻す。

どうせたいした事じゃないでしょ…。

そう思ったけど、

「昨日2年に告った…っていう奴、お前?」

元クラスメートの発言に、私はまた勢いよく振り返った。


「あー…」

頭をかきながら、翔は言葉を詰まらせる。

気付けばクラス中が、しんと静まり返って翔を見ていた。

ドキドキしながら返事を待つ。


聞きたくなかったのに…

“違う”っていう否定が聞きたくて…

たとえ嘘だとしても、否定する事を期待してた。

だけど…

「うん、俺だけど」

意外にもあっさりと翔は認めた。

「え…」
「マジでっ!?マジで告ったわけ!?」

私の漏らした声は、元クラスメートの声によって掻き消される。

「まぁ…って言っても付き合うとかじゃないけど…」
「はっ?じゃあ何で告ったんだよ?」

元クラスメートは、私が聞きたい事をトントンと聞いてくれる。