私と翔が揃って振り向くと、そこに居たのは中3の時、クラスメートだった男子。
「よっ!何?」
返事を返す翔とは反対に、私は視線を戻す。
どうせたいした事じゃないでしょ…。
そう思ったけど、
「昨日2年に告った…っていう奴、お前?」
元クラスメートの発言に、私はまた勢いよく振り返った。
「あー…」
頭をかきながら、翔は言葉を詰まらせる。
気付けばクラス中が、しんと静まり返って翔を見ていた。
ドキドキしながら返事を待つ。
聞きたくなかったのに…
“違う”っていう否定が聞きたくて…
たとえ嘘だとしても、否定する事を期待してた。
だけど…
「うん、俺だけど」
意外にもあっさりと翔は認めた。
「え…」
「マジでっ!?マジで告ったわけ!?」
私の漏らした声は、元クラスメートの声によって掻き消される。
「まぁ…って言っても付き合うとかじゃないけど…」
「はっ?じゃあ何で告ったんだよ?」
元クラスメートは、私が聞きたい事をトントンと聞いてくれる。



