13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「翔が黙ってんのって、気持ち悪いんだけど!」

あぁ……もう。
せっかく一緒に帰ってるのに、何でこんな可愛くないことを言っちゃうんだろう。

「気持ち悪いって何だよ!」

翔も声を荒げて、

ほら……いつもの感じになっちゃう。

自分自身にうんざりして、肩を落とそうとしたその時、

「一緒に帰るのって、すっげー久しぶりだよな」

耳に入ってきた翔の言葉に、思わずきょとんとする。

「いつぶりだっけ?確か……中一の時だっけ?」

「え……うん」

頷きながら、翔がこんなことを言い出すとは思ってもみてなくて、とても驚いている。

私と翔は同じ学年で、同じバレー部、帰る方向も同じで、中学一年生の冬頃まで一緒に帰っていた。

そんなこと……すっかり忘れてると思ってた。
覚えていたとしても、こんな風に話題にされることなんて、ないと思っていた。

「檜山さ、急にデカくなり始めたよな」

苦笑して言う翔に、「悪かったわね」と、一言で返す。

そう、私だって初めから長身だったわけじゃない。
中学に入りたての頃は、翔と変わらないくらいだった。

だけど、成長期を迎えた私は、望んでもいないのにどんどん背が伸びて……いつの間にか、こんなに大きくなってしまっていた。