「翔が黙ってんのって、気持ち悪いんだけど!」
あぁ……もう。
せっかく一緒に帰ってるのに、何でこんな可愛くないことを言っちゃうんだろう。
「気持ち悪いって何だよ!」
翔も声を荒げて、
ほら……いつもの感じになっちゃう。
自分自身にうんざりして、肩を落とそうとしたその時、
「一緒に帰るのって、すっげー久しぶりだよな」
耳に入ってきた翔の言葉に、思わずきょとんとする。
「いつぶりだっけ?確か……中一の時だっけ?」
「え……うん」
頷きながら、翔がこんなことを言い出すとは思ってもみてなくて、とても驚いている。
私と翔は同じ学年で、同じバレー部、帰る方向も同じで、中学一年生の冬頃まで一緒に帰っていた。
そんなこと……すっかり忘れてると思ってた。
覚えていたとしても、こんな風に話題にされることなんて、ないと思っていた。
「檜山さ、急にデカくなり始めたよな」
苦笑して言う翔に、「悪かったわね」と、一言で返す。
そう、私だって初めから長身だったわけじゃない。
中学に入りたての頃は、翔と変わらないくらいだった。
だけど、成長期を迎えた私は、望んでもいないのにどんどん背が伸びて……いつの間にか、こんなに大きくなってしまっていた。



