13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「何してんのかな……」

手に持ったチョコの箱。

こんなの用意したって、渡せなくちゃ、ただの自己満足でしかないのに……。

包装紙にしわが付いてしまうくらい、ギュッと握りしめた。



藤原先輩を見てしまったことによって、翔の前でも冷静でいられるような気がした。

だけど、

「……」

隣を歩く翔にドキドキして、言葉がかけられない。

どうしてか、翔も口を開かない。

校門を出たところで合流してから、ふたり無言のまま歩いている。

……気まずい。

いつもの雰囲気なら、喋らなくても普通なのかもしれない。
でも、さっきの教室での出来事を思い出すと、どうしても気まずい。

何か喋らないと……。

必死に考えを巡らせて、やっと口にした言葉は、

「寒いねっ」
「おー」

「……」

言った瞬間、自分でもダメだと……これじゃ会話は続かないことくらい分かった。

だけど、あまりにバッサリ切られた会話。
何だか腹が立ってきた。

だって、翔から誘って来たんだから……

「ちょっとは何か話してよ!」

私は、ほんの少し前を歩いていた翔の背中に、鞄を軽く当てて言った。

「はぁ!?」

当然のように、翔は不快そうな声を出す。