「何してんのかな……」
手に持ったチョコの箱。
こんなの用意したって、渡せなくちゃ、ただの自己満足でしかないのに……。
包装紙にしわが付いてしまうくらい、ギュッと握りしめた。
藤原先輩を見てしまったことによって、翔の前でも冷静でいられるような気がした。
だけど、
「……」
隣を歩く翔にドキドキして、言葉がかけられない。
どうしてか、翔も口を開かない。
校門を出たところで合流してから、ふたり無言のまま歩いている。
……気まずい。
いつもの雰囲気なら、喋らなくても普通なのかもしれない。
でも、さっきの教室での出来事を思い出すと、どうしても気まずい。
何か喋らないと……。
必死に考えを巡らせて、やっと口にした言葉は、
「寒いねっ」
「おー」
「……」
言った瞬間、自分でもダメだと……これじゃ会話は続かないことくらい分かった。
だけど、あまりにバッサリ切られた会話。
何だか腹が立ってきた。
だって、翔から誘って来たんだから……
「ちょっとは何か話してよ!」
私は、ほんの少し前を歩いていた翔の背中に、鞄を軽く当てて言った。
「はぁ!?」
当然のように、翔は不快そうな声を出す。



