13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


ねぇ、何なの?
何で……こんな展開になってんのっ!?

階段を急いで駆け降りながら、動揺する気持ちが抑えられない。

だって、チョコを渡すだけのつもりで……。
チョコだって、受け取ってもらえないかもと思っていたのに、

受け取ってくれただけじゃなくて、“一緒に帰ろう”って――。

何これ、何これ、何これっ!?

心臓はどうしようもなくドキドキして、翔に二度も掴まれた腕が熱い。

さっきまでの私は、きっと呆れるほど自分の気持ちが顔に出ていたと思う。
今日これからも、上手く振る舞える自信は全くない。

気持ち、バレちゃうかも……。

そんな不安はあるけど、
でも、それ以上に、

嬉しいっ!!

気持ちを素直に表情にして、私は満面の笑みで、最後の一段を跳んで降りた。


校門を出たところで、翔を待っていよう。

ご機嫌で、早足で、玄関に真っ直ぐ向かう私。

だけど、

「っ……」

並ぶ下駄箱がちょうど見えた時。

一緒に目に入ってきた人の姿に、あたしの足と息は止まる。

……藤原……先輩。

先輩は向かい側から、ひとりで歩いて来て、私に気付かず玄関を曲がった。