13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


早朝の教室。
私は自分の席に頬杖をついて、ぼーっとしていた。

昨日はあまり眠れなかった。
翔に振り切られたのがショックで眠れないなんて…。
私にも、意外と可愛い所があるみたい。

「ねぇ、ホントかなぁ~?」

さっきから耳に入る噂話は、昨日1年生が2年生にいきなり告白した…というもの。

私はそれを聞こえないフリしてた。

その1年生に該当するかもしれない、一人の心当たりを認めたくないから。


「はよっ」
「おはよ」

バシッと背中を叩かれて、私は適当に挨拶する。

……ん…?ちょっと待て…。

この声は…。

そーっと顔を上げると、そこに居たのは、

「翔っ!?」

「何ビビってんだよ?」
「いきなり叩かないでよっ!」

本当は叩かれたから驚いたわけではないけど、そういう事にしておく。
翔は「ごめんごめん」と、笑顔を浮かべて謝った。

「何か…いい事あった?」
「何で?」
「翔が素直に謝るなんて珍しいから」
「あのなっ…」

いつものノリで、翔が何か言おうとした時、

「岡田ー!」

翔を呼ぶ、図太い声がした。